※跡部さんが…弱い感じです
※樺地が…黒いです
(二人とも変わっちゃだめじゃねーか!)
というお姉さまはお気をつけて。
――――泣く、と、思った。
自尊心の高いこの人だけど
多分、泣く、と、思った。
それは本当に自然で
当たり前のことで
だけど、
皆の居る前では決して泣かないだろうと思った
から
「…樺地?」
二人になった場所で、
壊さないように
かといって逃がさないように
崩れてしまわぬように
そ、っと
抱き締めた。
「樺地…何」
「泣いて、ください」
「!」
「今、は…」
泣けないのなら
せめて今、この場所で
思いっきり、泣いてほしい
「――――バッ、お前、何…」
「…」
「泣くはずねえだろ、俺が…!大体、お前には、」
俯いて抵抗するその人の腕を捉えて、
俺は、
その人を縛る一言を言った
「あなたの涙は、確かに」
「あなたのものです」
「でもあなたが泣いているのを」
「他の誰かに見られるのも」
「あなたが一人で泣いているというのも」
「我慢が、できなくて」
「―――――え、」
何時になく饒舌に喋れば、予想通りの驚いた瞳。
その瞳がもっと驚くであろう言葉を言おうかどうか躊躇して、
だが、口 を 開 い た 。
「あなたが泣く場所は、俺の、所だけであれば、いい、と」
そう言って抱き締めれば、思ったよりもすんなりと、それは腕の中に入った。
抱き締めた華奢ではないが自分より細い体が、
それでも抵抗することなく
震え始めたのはそれからほんのしばらくのことだった
(あなたの涙一粒、逃したくない)
(そんな私を、軽蔑しますか)
|後記|
謝りたい。
どの方角に?
手始めに南から(海しかない)
まず跡部が乙女過ぎた。どこのどいつさん?
それから樺地が謎な人物に。
ただ樺地に関しては、つまり、樺地にだって独占欲ぐらいあるんだぜってことがいいたくて…
いつも私の樺跡は、跡部が物足りなくて拗ねていますが←
でも跡部と対になって存在するという設定で樺地が居るなら、樺地にだってそれなりの独占欲はあってもいいかと思ったのです。
本当にぴったり当てはまっちゃう二人。みたいな。
お互いの欲求とかすぐ読み取れちゃうし、読みとる前に、それを自分もしたかった、みたいな。
泣く場所は特別で、とくに跡部の場合は絶対人の前で泣いたりはしないから、その唯一の場所を樺地は譲りたくない…みたいな
まああり得そうであり得ないネタを…←
すみません!!!
昨日とは違ってシリアステイストで。
跡部様が一体何に泣きそうになったのかはご想像にお任せします。
どうやら私は跡部を泣かせたいらしい。