※詩みたいなものであって、本編ではありません。
いうなれば番外編です。それでもよろしければ。
たとえ、自分のこの思いが報われなかったとしても。
「行くぞ、樺地」
自分はきっと、この想いを、止められない。
だから今日も、心の中で謝りながら後ろを歩く。
ごめんなさい。
ごめんなさい、跡部さん。
「…どうした?」
自分へと振り返る、やさしい瞳も。
心配そうな声ですら、
今は苦しくて。
この想いが、報われなくても
結ばれなくても
昔はそれでも、良かったのに。
いつから自分は、こんなに欲張りになったんだろう。
「なんでも…ない、です」
振り返らないで下さい。
自分はあなたに、心配される権利も、ないんです本当は。
優しくしないでください。
あなたにやさしくされる権利も、自分にはないんです。
苦しいから隠す、隠して苦しくなる、
この堂々巡りを。
(あなたがそんなにやさしい人でなければよかった、などと)
「…そうか、なら別にいいけどな」
「ウス」
「――――どっか悪いなら、ちゃんと言えよ」
(ああ、)
(苦しい)
どうしてこの想いを殺せないのだろう
(ずるい自分は、またあなたが優しいからという理由を言い訳にする。)
|後記|
「限りなく透明に近い想い」
の、告白する前の樺地視点。
相当辛い片思いをしていたんだよ…という事情をこの辺で入れておこうと思いました。